太古より「御簾」というのは神様と人間界、高貴と庶民を隔てる「結界」として使用されていました。
また平安時代の神殿造り、室町時代の書院造りなどの建築様式の発達に伴い住まいの間仕切りとしても使用されていました。
枕草子や源氏物語などにも数多く「御簾」という言葉が出ており、御簾は四季折々の風情に応じて室内を演出していたり、平安貴族の男女が御簾越しに異性を観察する情景などが描かれています。
御簾の主となる材料の竹は驚異的な成長力・生命力・魔除けと太古より不思議な霊力を持つとされており、神聖な植物とされていました。
そのことから、竹を使用する御簾は江戸時代までは大衆の使用が禁止されており、作る職人まで厳格に区別されていました。